開発ってまるで生き物をつくってるみたい!

【本日の社員データ】
加瀬さん(入社5年目)新卒入社、20代後半
アロバビュービジネスユニット 開発グループ エンジニア
微生物学専攻からエンジニアに、最近さらに新婚さんに!
朝会議個人発表テーマ:「開発環境を考える」

さとこ:今日は加瀬さんにお話をうかがいます!
朝会議の資料は「ソフトウェアと生物の話」から始まっていて、おもしろそうだったん
ですがよくわかりません… 平たく言うとどんな感じでしょうか? 

加瀬:えーっとね、DNAっていうのは一般的にも
知られている言葉ですよね。DNAには遺伝情報が書かれているんですが、
その情報を読み取って別の形式に変換するのを専門にする分子がいるんです。
で、変換した結果をもとにタンパク質がつくられたりします。タンパク質は人間
の場合、髪や爪、皮膚になりますよね。そうやって生物ができあがっていく
わけです。でね、ソフトウェアもね、プログラムを書くのは人間だけど、専用の
ツールがあって、そのプログラムを機械が読める形に翻訳してるんですよね。
この変換・翻訳していくところが、ソフトウェアと生物の似ているところ
だと思います。

さとこ:えっ!それはじめて知りました。
プログラミングっていろんな言語があってアルファベットの羅列で、あんなに
難しそうなのにまだ人間の言葉じゃないんですか…! 

加瀬:そうなんです。人が書いてるプログラムは、
機械語に翻訳しやすいように歩み寄ってる程度なんですよね。もうひとつ、
ソフトウェアと生物は、機能の連鎖の仕組みが似ていると思っています。
プログラムってたくさんの命令や機能のまとまりなんですが、ひとつの機能を
働かせて一定の条件を満たしたら他の機能が働いて…、って連鎖していくん
ですよ。生物で言うと、たくさん食べるという条件を満たすと消化酵素が
つくられて消化がすすむ、という感じですね。

さとこ:なるほど… 言われてみれば似ています。
DNAから髪や爪がつくられていくのも、まずはDNAの情報を解読して、解読が
完了したらタンパク質をつくって…って連鎖ですよね。微生物の研究をして
いらした加瀬さんならではの視点ですね。
朝会資料の後半でおっしゃってた「開発環境を考える」話はどういうことですか?

加瀬:えっとね、ソフトウェアをつくるためには道具が必要で、
それを効率よく準備するにはどうしたらいいか?というようなことを考えて
います
。たとえばカレーをつくろうとしても、一般家庭とレストランじゃ使う道具
やキッチンが違うじゃないですか。カレーはソフトウェア製品、道具はパソコン
やいろんなソフトウェアをイメージしてください。カレーを、綺麗で必要なもの
だけが揃っているシンプルなキッチンで作りたくって、キッチンを整えるのが
環境をつくるということです。

さとこ:うーん… なんとなくわかった気がします!
カレー(ソフトウェア製品)を効率よくつくるために、必要な道具(ソフトウェア)は
なにか把握して、キッチン(環境)を綺麗にする感じでしょうか。それで美味しく
つくれたら、そのときに使った道具やキッチンの状態を覚えておくような…? 

加瀬:うん、そんな感じです。
具体的な仕事としては、どんなソフトを入れたか、更新されるソフトやOSの
どのバージョンを入れたか、というような情報を管理しています。これをきちんと
しないと、似たものをつくるときに同じ環境をつくれなくなっちゃうんですよね。
同じ環境をつくろうとして一つ一つ調べているとすっごい時間がかかっちゃう
からルーチン化して、この資料を見てこの通りにソフトを入れていけば…とか、
この環境をコピーすれば…ってふうにしておくんです。

さとこ:なんだかいつにもまして難しそう…
お仕事たのしいですか? 

加瀬:動くものをつくるっていうのはとにかく楽しいです。
だって、最初のソフトウェアと
DNAの例で言ったら、私たち生き物をつくって
いるんですよ!

さとこ:すごい!そういうモノづくり観は新鮮です。
学生時代の専攻と全然違う分野に精通して、でも学んできたことを自分の
視角に組み込んでいらして、とっても素敵です。私も専攻の社会学を、せめて
自分にとっては有用なものにしたいと思いました。
加瀬さん、今日はありがとうございます!

まだ迷うことはあるけど、これはもう心を決めるしかない

 

 

【本日の社員データ】
石野さん(入社4年目)新卒入社、20代後半
アンドロイダーユニット 企画営業
趣味は絵を描く、写真を撮るなどの創作活動。人へのプレゼントを考えるのも好き。
朝会議個人発表テーマ:「苦しい道を歩むための訓練方法」

植松:今回は4年目の石野ちゃんに話を聞きます。・・・で、朝会では今、
「苦しい状態」って言っていたけども。。

石野:あは、中にはビックリされた方もいたようですが、私としては、
正直な表現をさせてくれたことはありがたかったですね。私、ウソは
つきたくないので(笑)
自分の今の立場だから言えるというか、言わなきゃいけないなと
思ったんです。

植松:ほうほう。具体的に、苦しいってどういうこと?

石野:そうですね、私は学生時代、メディアアートという美術・表現寄り
のことをやっていたということもあって、「自分とはこういうものだ!」
という自我があったり、「自分らしさとは」について考えたり、表現して
「自分を残す」ことに夢中になったり、とにかく「自分中心」に生きてき
たところがあったんです。たぶん、学生の間ってみんなそうだと思う
んですよね、自分のことをひたすら考えて生きてきてるわけですから。
それがある日一変して、今はユーザーのことを考えて、ユーザーを
気持ちよくするサービスを作る仕事をしている。このふたつの間には
大きな差があったんです。

植松:大きな差っていうのは、誰かのためにできるかどうかってことだよね。

石野:はい。もちろん、入社するタイミングで、社長の話を聞いたり、
プロジェクトの話を聞いたりしてなんとなく、これから私がやろうとしている
ことって、そういうことだろうな、という想像はしていたんです。授業で企業
とコラボして人の目に触れるポスターを作った経験もありましたし、他の人
にこう思ってもらいたいと考えて絵を描くこともよくあったので。だけど、本
当のプロになるために必要な、誰かのことを本気で考えるっていうのは出
来るようでなかなか出来ない、しかも分かってはいるのに、手が届きそうな
のに・・・っていうもどかしさがあって。苦しくて、正直ここから逃げ出すこと
も考えたことがありました。

植松:え゛っそうなの!

石野:そうなんですよ、今だから言えますけどね(笑) 周りの友達みたい
にオンとオフを切り替えてみようとか、“自分の時間”で何かやってみよう
とか、マネしてみるんですけどね、それもうまくいかなくて。

植松:アレ、何やってるんだろう私・・・、って考えちゃったり?

石野:そう、結局流されちゃってるじゃん!とか思って。
何でそういう道を自ら選んで進んでるかって言ったら、誰かのことを本気
で考えているサービスを作ることがしたいから、なんですよ。私もまだ
迷うことはあるけど、これはもう心を決めるしかないんだって、見えてきたんです。

植松:なるほどね~。石野ちゃんがそうやってもがきながらも続けてい
るのには、理由があるんだよね。

石野:そうですね、学生のころから少しそういうところがあったんです
けど、私がやったことによって人が動かされているのを見て、ニヤッと
してしまう、これはやめられないですね。あ、こうしたらあのユーザー
とあのユーザーが反応してくるだろうなとか、やってみると本当にそう
なったり、サービスがユーザーの生活の一部になっていたり。
ユーザーの顔を実際に思い浮かべながら、じゃあ次どうする!?って
作るサービス、これは面白いですよ。

植松:なんとなく、石野ちゃんは乗り越えてきてる気がしたよ!
今日はありがとね~